平成九年 天空翔龍 呂洞賓

平成九年 出陣

天空翔龍 呂洞賓

(てんくうしょうりゅう りょどうひん)

中国は唐の時代、河中府永楽県 (現在の山西省永楽鎮)の名門に生まれた呂洞賓は、幼い頃から聡明であったが、 その風貌は異相であった。 剣の達人としても一流の技をそなえていた洞賓は、さらに進士の栄冠を得ようと科挙(かきょ)に応じるのだが、 二度も落第してしまう。
そうした頃、道士(どうし)、鍾離権(しょうりけん)と出会い、 “人の世は得ても喜ぶには足らず、失うも悲しむに足らず、大きく覚めれば一つの大夢(たいむ)である”ということを悟り仙人への道を選んだのであった。 鍾離権から仙道の極意をことごとく伝授された洞賓ではあるが、神仙となった後もあくまでも庶民の中に身をおき、 民衆と共に生きるのであった。 あらゆる願いを叶えてくれる神仙として、 また酒仙として、中国では今なお多くの人々に尊崇され、親しまれている。 ねぶたは、 華陽巾(かようきん)をかぶり、手にした水瓶(すいびょう)に籠めていた龍の子を解き放ち、遥か天空に遊ぶ翔龍と問答に興じる呂洞賓の姿である。

解説 竹浪 比呂央

○○賞 受賞

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