【責任重大。(イシナギ)】

今朝のワンショット。

津軽地方では「イシナギ」を「アラ」と呼ぶ場所があります。

九州では「クエ」を「アラ」と呼んだり、地方名って、ややこしいですね!!

今朝の競り場に中小合わせて12尾、しかも一ヶ所の定置網にまとまって入網。

群れる魚じゃないから、珍しいです!

イシナギは肝臓に毒があり、激しい中毒を起こします。

中毒症状は「ビタミンA過剰症」。食後30分〜12時間で発症します。。

発症率は100%で、激しい頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、顔面の浮腫がみられ、

下痢、腹痛を伴うこともあります。

2日目からは、顔面や頭部の皮膚の剥離が始まり、回復には一か月ほどかかります。

その為、肝臓のみ食用禁止となっていて、肝臓が付いたままでは販売できません。

ので、もれなく切腹して頂きました。

もしも、このイシナギ、誤って肝臓がついたまま流通してしまって、

一般の消費者の方が「おっ、旨そうじゃん」とかって、キモ和えで食べて食中毒でも起こしたら…。

漁師さん⇒漁協⇒卸売市場⇒仲卸業者⇒量販店⇒料理店⇒お客様⇒下痢した

どこの誰に責任の所在があるんでしょうか?

このような事が起きた時、食品衛生法により罰則されます。

競り人へは、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金。

監督をしている法人は、1億円以下の罰金となります。

もし、起きたら手っ取り早い、卸売業者に保健所からの連絡が来るんでしょうね…。

近年ネット直販が流行ってますが、あれ、怖い…。

近頃、色々騒動が有った「アニサキス」と同じです。

ある程度スキルを持った人間(市場関係者)なら、当然知ってるはずの事で、それなりに対処するのに…。

食品を取り扱うという事は、人の命に係わっているという事をしっかりと考え、

「まぁ、いいか」などの軽率な判断をしないように。

「知識を有している」ことが素人とプロの違いで、私たち市場の存在意義と思います。